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32 心が重い

مؤلف: あさじなぎ
last update تاريخ النشر: 2026-02-09 21:58:19

 宝石店に入ると、手厚く出迎えられた。

 当たり前のように奥の小部屋に通されたかと思うと、男の店員がチュンシー様の希望であるブレスレットをトレイに置いて持って来てくれた。

 私はこういうところには滅多に足を踏み入れないので落ち着かず、黙ってやり取りを見つめる。

 不自然なほど笑顔の店員は、ひとつひとつブレスレットについて説明をしていった。

「こちらは西の国から取り寄せました金剛石のブレスレットでございます。こちらは翠玉でしてこちらは……」

 色鮮やかな宝石がついたブレスレットたち。私には眩しく映る。

 どれも値札がついていないが、チュンシー様はその中からふたつ、購入を決めて女官に支払いを命じた。

 店員は終始笑顔でなんだか不気味にも見える。

 後宮の妃はこんな風に金を湯水のように使うのか。

 私も上流階級の家の出ではあるが、値段はさすがに気にするし、気になった商品が値引きされていたら飛びついてしまうというのに。

 店を後にしたあと、チュンシー様は歩きながら言った。

「後宮の妃はね女性の夢なのよ、シュエファ」

「夢……ですか?」

 不思議に思って尋ねると、チュンシー様は頷く。

「えぇ。
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  • 血塗られた宮廷で護衛騎士は愛に揺れる   29 視線

     その時だった。 なんだか背中がぞくり、として私はハッとして辺りを見回した。 ここは宮廷内の庭であるし、内部の者なら誰でも入ることができる。実際、少し離れた所を通り過ぎていく女官の姿が見えるし、いつの間に現れたのか警備兵の姿もある。 けれど今の視線は彼女らのものとは思えない。 あの視線、あの感じは戦場で何度も感じたことがあるものだ。 ――殺気。 けれど誰が? やはり女官の中に事件の犯人がいるのだろうか。まさか警備兵? そう思って警備兵を見るが、彼女らから殺気は感じない。 その向こうにいた女官はすでに姿がないし、あの女官とも限らない。この庭は木が多いし、どこかに隠れているとか

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